モノの価値を高め続け、我々の生活の中にも利便性の高い製品やサービスが浸透した時代から、我々はその価値の対象を、提供されるサービス全体や製品を利用して、人それぞれの志向にあわせた時間や体験に価値を求める時代になりました。世界ではGAFAに代表されるようなビックテック企業によって提供されるプラットフォームビジネスによって、これまで企業独自で作り上げる必要があったビジネス環境が、その労力が格段に下がり、中小企業やスタートアップ企業でも新たなサービスや製品を提供でき、その上でオリジナリティのある価値 を顧客やユーザーに届けることができるようになりました。SDGsやグローバルメガトレンドに見られるように社会課題の解消を目指し、多くの企業がその実現に向けて、また、多くの投資家がその 課題に取り組む企業や社会に投資を行い、市場のグローバル化とボーダーレス化が進む時代、開発者やユーザーの為に企業はどのように対応していくべきか、IoT変革やDX戦略というキーワードで経営層方々も意識し、現場の危機感に対する施策が議論されていることと思いますが、その為には何が必要なのでしょうか。
製品やサービスの機能的な価値や品質を高め続けることはこれまで続けてきたことですが、それではこの市場の変化に適応することは難しく、モノからコトへと「人」が感じる価値の移り変わり、その価値を体験する「人」、この市場においても「人」が中心であるべきであり、重要であると考えています。企業に所属する社員、製品やサービスの開発者、それを利用するユーザー、皆「人」であり、その「人」が将来何を求めるか、 何に価値を感じるのか、この予見を正しく定め、その確からしさを評価した上で、仕組みを作るという一連の製品やサービスを作る工程にはデザインにおける国際規格があることをご存じでしょうか。それは「人間中心設計(HumanCenterd Design Process)」というISOでも定義されている世界では標準とされているプロセスです。
20年以上国内外の製品やサービス開発に携わってきた我々は、日本ではまだまだこのプロセスを企 業文化に取り入れていない企業が数多くいることを知り、日本のモノコト作り企業が導入しやすい 形を模索し、「デザインエンジニアリング」という概念を打ち出し、今もカイゼンを続けながら企業、開発者、ユーザーが抱える課題に取り組んでいます。これからの時代に適応できる企業文化を形成するにはどうするべきか、実際にこの世界基準のプロ セスを活用して、これまでとは違う価値をユーザーに届けたい、自分達ではなかなか自社の抱える 課題が見えない、または課題に対して取り組めない…エスディーテックは、そんな悩みや不安を抱 えておられる方々に少しつづでも解消できるよう支援する様々なサービスをご提供し、顧客、開発者、ユーザーの未来に喜びを生み出したいと考えております。
~デザインプロセスとエンジニアリングプロセスの融合~
我々は幸運でした。それは人がどうやったら喜ぶかを常に念頭に置いて仕事をしているデザイナー、そしてその喜びがしっかりと伝わり、届けたいと思うエンジニア、この2つマインドとスキルを持ち合わせた人材がわりと自然に集まってきた集団です。考え方も違えばテクニックも違うこの2つの職種が確実に必要なものがインタラクティブシステムに欠かせない「ユーザーインターフェー ス」です。実現した機能を正しく使えるようにするためには、ユーザーが接する「インターフェイス」とユーザーの意図通りに動く「機能」のどちらの品質も必要であり、ユーザーにとってストレスないものやサービスに仕立てるべきで、その両方が1 つの導線として理解できる ようにしなければなりません。必然的にこの2つの職種が1つの職種になるように動く必要があるわけです。長年ある意味「融合」する必要があった仕事が多かった我々は、様々な仕事を通じて、そうなっていない企業文化をもつ方々と出会い、多くの「ユーザーインターフェー ス」に課題を持つ仕事に携わることができました。
人とシステム、モノとシステム、そしてコト(体験)とシステムと知識と経験を重ね、ベースメソッドとして「デザインエンジニアリング」 という概念が組成されたのです。そこには、人と人、人と組織、人と社会も考慮されるべき課題も多く
~その目的は何か~
我々は組織の存在意義として ”「作り手の喜び」と「ユーザーの喜び」が循環するモノづくりを世界中に”というVisionを掲げています。作り上げたモノやサービスの利用時品質が高く、ユーザーや使い手が喜んでくれることが、我々の喜びでもあり、だからこそ作り手も楽し まないと豊かで柔軟な発想は生まれません。そしてそれがユーザーの「利」となり、企業の「利」に繋がり、最終に開発者も「利」が得られる。このよい循環を作り出す会社でありたいと思うのです。
ソフトウェア工学では度々「銀の弾丸など無い」と言われるように、ただでさえ複雑なシステム開発に「デザイン」という抽象的な言葉を 引用してしまうと、より複雑で難解な概念だと思われがちですが、「伝わりやすい成果を用いて相互に理解を高めつつ、異なる観点で成果を生み出し価値を創造する」ことだと我々は考えています。これまでのプロセスにいくつかの観点や工夫所を取り入れるだけですので、sdtechでしか出来ないこと、というわけではありません。例えば、以下のような観点と工夫をいくつか挙げておきます。
長い開発工程の中で、上流工程から多様な観点で要件やアイデアを発想し、それらが 適切に中流~下流工程で組みあがっていくか確認をしながら進めていくのは大変で はありますが、共通認識したゴールや目的があればそこに立ち返ることで今進めてい ることが適切か否かが分かるだけでも各段に効率が上がるものだと考えています。エスディーテックでは上図(※1)のように、3つの「共創」を実行しています。「発想」から「実装」までワンストップで行い、その手段は「共創」。ユーザーとの「共創」クライアントとの「共創」デザイナーとエンジニアとの「共創」。目指すのは「Good UX Products」利用時品質の高いモノ・コトを作ることを目指しています。
総務省が2021年に行った調査によるとデジタル・トランスフォーメーションを進める際の課題で最も上位は「人材不足」が53.1%と日 本企業の半数以上であり、具体的にどのような人材が不足しているかの結果が以下の図となっています。
「大いに不足している」又「多少不足している」と 回答している企業が6 割を超えており、DX 推進を 行う以前に、その人材獲得と人材育成が重要な課題 であることも伺えます。米国・ドイツを含めて見て も、「AI・データ解析の専門家」「UI・UX に係るシ ステムデザインの担当者」「デジタル技術に精通し ている者」などが上位に挙げられています。
エスディーテックはこれらのスキルセットを持ち、日々の業務を通じてより専門性を高める活動を行っていますが、企業の存在意義や強みを理解し、課題解決に向かって、お客様と共に「共創」できるパートナーとなれることを目指しております。
エスディーテックとしては創業から8年目が経とうとしていますが、コアな創業メンバーや社員の半数は、前身の会社時代から20数年以上、最先端のクリエイティブなデザインとソフトウェア開発に携わってきた経験値があり、多種多様な媒体、環境、ドメインの中でプロフェッショナルに活躍してきました。その中で培ってきた専門的な知見と手法を開発プロセスで活用し、現在、また新たな手法を開拓し、より高い 機能品質、魅力品質、利用時品質を目指そうと日々活動しています。 この経験値に加え、クライアントやユーザとともに創造し、モノコトづくりに着手することが出来れば、きっとグローバルメガトレンドの課題に対して立ち向かい、人間にとって「喜び」を体験する機会を生み出すことができると考えています。我々の経験値から生まれた方法論やツールは一部「サービスメニュー 」としてパッケージ化されたものもありますので、ぜひ皆さんの課題 解決の為にご検討頂ければと思います。
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Design Engineering vol.2
「デザインエンジニアリング」は、なぜ必要か
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